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追悼 瀬戸内寂聴展 [いろいろ]

追悼 瀬戸内寂聴展(20220927)
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コロナ感染に注意しながら、「追悼 瀬戸内寂聴展」を見てきました。(2022/9/24)


場所:大阪なんば高島屋
開催:2022年9月14日(水)~26日(月)

東京日本橋高島屋8月3日~22日、京都高島屋10月12日~31日開催。


追悼 瀬戸内寂聴展(ホームページから引用させて頂きました。)
 「切に生きる」という言葉が好きだと語っていた瀬戸内寂聴師(1922 年-2021 年)。作家として僧侶として、常に精一杯の行いを自らに課し、最期までペンを握り続けました。師の膨大な著作と、幅の広い活動の軌跡、そして華やかな交友録は圧巻です。一方で、子どもを亡くした女性の肩を抱いて共に泣き続ける優しさをもち、終生、反戦や人権活動に力を尽くしました。
 本展では、新たに出版された寂聴師の著作をはじめ、これまでの代表作や活動の記録、交友録を一堂に展覧するとともに、会場には、「心に残る寂聴師のことば」を散りばめ、法話映像、秘蔵の資料とともに、寂聴師を偲ぶ貴重な機会としているそうです。


瀬戸内寂聴(1922年-2021年)
1922年、徳島県生れ、東京女子大学卒
1957年(昭和32)「女子大生・曲愛玲」で新潮社同人雑誌賞
1961年『田村俊子』で田村俊子賞
1963年『夏の終り』で女流文学賞を受賞

1973年11月14日平泉中尊寺で得度。法名寂聴(旧名晴美)
1992年(平成4)『花に問え』で谷崎潤一郎賞
1996年『白道』で芸術選奨文部大臣賞
2001年『場所』で野間文芸賞
2011年『風景』で泉鏡花文学賞
2018年『句集 ひとり』で星野立子賞を受賞
2006年 文化勲章を受章
著書に『比叡』『かの子撩乱』『美は乱調にあり』『青鞜』『現代語訳 源氏物語』『秘花』『爛』『わかれ』『いのち』『私解説 ペン一本で生きてきた』など多数。
2001年より『瀬戸内寂聴全集』(第一期全20巻)が刊行され、2022(令和4)年に同全集第二期(全5巻)が完結
2021年11月9日99歳で逝去



2021年11月に99歳で亡くなられた瀬戸内寂聴さんの追悼展。寂聴さんのゆかりの品々、寂聴さんの代表作や活動の記録など、99年の生涯の一部分を拝見してきました。
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 展示会場を入るとすぐのコーナーに、400冊以上を書いた寂聴さんの本の一部(約270冊)、瀬戸内晴美さん130冊、瀬戸内寂聴さん135冊が展示されていました。出家される前の51年と出家された後の48年、多くの本を書かれていたことを再度知りました。
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展示は7章で構成されており、徳島で生まれてから出奔するまでの「人生の原点」に始まり、得度する前の晴美時代の文学、得度式、京都・嵯峨野の寂庵(じゃくあん)、現代語訳した源氏物語、作家や著名人ら幅広い「人縁」、「生きることは愛すること」に代表される言葉などが紹介されていました。


第1章 人生の原点
価値観を根底から揺さぶられた敗戦の体験、作家活動の源になった出奔時の思いを、関連資料や著作に書き残した言葉が展覧されていました。



第2章 瀬戸内晴美の文学
仕事と恋愛という女性にとって普遍のテーマに正面から向き合い、人気作家として文壇での地位を固めていった瀬戸内晴美の文学を紹介されていました。
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20代の寂聴さん

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1963年『夏の終り』で女流文学賞を受賞



第3章 得度式
岩手県中尊寺での得度式の模様とその決意を、剃髪した黒髪や得度の挨拶文、貴重な写真資料などが展覧されていました。
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有髪最後の色留袖と嵯峨錦の帯


剃髪された黒髪の展示を初めて見ました。驚きました。



第4章 ようこそ寂庵へ
僧侶として痛みや孤独を抱える人々を励まし、反戦など社会問題にも積極的に向き合い行動した姿を、寂庵ゆかりの品や懐かしい法話の映像などが展覧、紹介されていました。
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再現された書斎

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寂聴さん手作りの土仏


彫刻「尼仏師」
松久宗琳氏の彫刻が展示されていました。素晴らしかったです。



第5章 源氏物語の世界
「平成の源氏ブーム」を巻き起こした華やかな寂聴源氏の世界を、日本画家・石踊達哉画伯が書き下ろした圧巻の装幀画原画ほか、ゆかりの品々などで紹介されていました。

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源氏物語現代語訳(1996年 74才)

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石踊達哉画伯作

素晴らしい絵画でした。


源氏物語現代版を執筆にあたり、原稿枚数4,000枚、準備5年、訳に5年、1年300枚、一日13枚と計画されたそうです。実際には予定より倍くらいの速度で書かれたそうです。

同時に、源氏物語決意メモが展示されていました。
決意メモ
健康留意、規則正しく、仕事を整理、義理を欠く、経済を引き締める、最後の仕事と思う。
以上を意識して執筆に集中する。

その横に一部決意が守れなかった事例が紹介されていて、ほほえましく感じました


第6章 人縁という宝物
作家仲間や各界著名人との書簡、寂聴師との思い出の品をエピソードとともに展示されていました。
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川端康成からの手紙


第7章 生きることは愛すること
晩年に執筆した著書と活動紹介を通じて、寂聴師が遺したもの、我々に伝えたかったことは何だったのかを探ることが紹介されていました。
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素晴らしい多くの作品、心にひびく多くの言葉など、寂聴さんの生き方の一部を拝見できてとても良かった思いました。


展示会場の出入り口および書籍など販売コーナー付近
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随分前になりますが、奈良東大寺で法話を聴いたことを思い出しました。


ご冥福をお祈りいたします。





新型コロナウィルス
 9月26日(月)、東京の感染者数6,316人、大阪2,256人、沖縄284人、全国43,587人。感染者数が一時に比べると減ってきたようにも思いますが、まだまだ、油断できないですね。


安倍元首相国葬
 9月27日(火)安倍元首相の国葬が賛否両論の中で行われました。ご冥福をお祈りいたします。



ご訪問していただきありがとうございました。



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